令和元年9月8日にさいたま市大宮ソニックシティにて講演会を開催させていただきました。ご参加いただきました先生方、大変ありがとうございました。当日は関東上陸では過去最強の勢力であった台風15号が近づく中、キャンセルもなく満席で開催させていただきました。帰宅時の混乱を避けるため昼食のスケジュールを調整させていただき、休憩時間も講演させていただいた事、お許し下さい。結果的には講演に熱が入り終了時刻は同じになってしまいました。1日中、歯内療法の話をお聞きいただいた先生方のお顔は疲労と共に充実されていた様に見られたので良かった思います。
講演内容といたしましては日々の臨床の歯内療法分野の問題解決能力を養うための講演項目になっております。この内容はペンエンドプログラムインジャパン(一年間レギューラーコース)を受講しさらに認定医・専門医というさらなる研鑽をつんで臨床的にも経験豊富な6人の講師による総合的な講演とさせていただきました。 ペンエンドプログラムインジャパンとはペンシルバニア大学歯内療法学科とPESCJとのコラボレーションプログラムです。 残念ながら現在、日米間の歯内療法臨床における格差はどの切り口から見ても小さいとはいえません。 この差を埋めることを目的とした教育プログラムが Penn Endo Program in Japan です。
さて、何故これほどまでに歯内療法臨床に日米格差が生まれたのでしょうか?それは教育だと思います。日本で教育をしっかりと受けられた先生方はどうしても突き当たる壁があると思います。例えば日常臨床で診査診断を行い診断名を患者様にお伝え出来ていますでしょうか?その様な疑問点に主要論文をベースに解説してまいります。
具体的には①歯髄と根尖部の診査診断②根尖性歯周炎の難治化と無菌的治療の実際③根管形成、根管洗浄④根管貼薬、根管充填⑤ポストコアと築造、歯内療法処置歯の修復処置⑥外科的歯内療法、と歯内療法領域の治療を成功させる為に必要な項目を細分化し、6人の講師による総合的な講演とさせていただきました。
1日という短い時間でありますが主要論文をベースに臨床に直結する凝縮した内容となっております。さらに各項目ごとに実際の臨床例をあげて説明させていただいております。今後も参加者の皆様にお伝えしていきたいと思っております。
当日の講演終了後、活発な質疑応答も交わされ、参加者の皆様の終了後のアンケートからは高い評価を頂きました。 以下アンケートの一部を載せさせて頂きます。
・文献や成功率のパーセンテージ等を提示していて分かり易かった
・自分の考えが甘かったと思いました
・診断の分類方法が分かりやすかった
・とても分かり易かった
・分かりやすかったです
・歯髄と根尖部の診断を分けて考えること(が良かった)
・ケースをまじえての診断だったので分かりやすかった
歯内療法のテクニックについて、つい最新の治療器具や機材、薬剤などの情報に翻弄されがちでありますが、最新の器具や器材が治癒を導くものでなく、ルールに則った基本的な根管治療のテクニックを習得する事が重要であります。また、過去の文献からエビデンスに基づく歯内療法を行う事が非常に大事であると我々は考えております。歯内療法は正確な診査診断のもと、適切な治療法を選択し、コンセプトを守った治療を行い、患者利益を追求することが大切です。
今後もこの様な事を参加者の皆様にお伝えしていきたいと思っております。 講演を通して歯内療法でお困りの患者さんの治療の一助になれば幸いです。 次回は令和2年2月16日 千葉県千葉市で開催予定があり、令和2年6月21日 山梨県内でも開催予定です。 また令和2年9月13日 長野県内で開催されます。会場が未定にも関わらず、すでに何人かの先生よりお申し込み頂いております。 両講演会とも参加ご希望の方はお早めのお申し込みをお勧めいたします。